Darrow Blue Hydrogen(ダロウ・ブルー水素)

エア・プロダクツ社は、ハイドロリック・パワー・リカバリー・タービン(HPRT)をSSSクラッチを介して二重駆動アミンポンプシステムに接続することで、プラント効率を向上させます。
ルイジアナ州アセンション郡に位置するダロウ・ブルー・エナジー施設では、低炭素水素を生産し、メキシコ湾岸地域およびそれ以遠の輸送や産業向け市場に供給します。施設では、年間500万トン以上に相当する二酸化炭素排出量の95%を回収・隔離し、ルイジアナ州内の適した地質空間に恒久的に貯留します。
総額45億米ドルにのぼるこのプロジェクトは、エア・プロダクツ社にとって米国最大の投資であり、ルイジアナ州における大規模な投資でもあります。このクリーンエネルギー複合施設は、地域経済を活性化させるとともに、実績のある技術を用いて二酸化炭素を回収・永久貯留することで排出量を大幅に削減し、顧客の持続可能性向上にも貢献します。施設では、米国内向けに1日あたり7億5千万標準立方フィート以上のブルー水素を生産するほか、国際向けにはブルーアンモニアも供給されます。

3台のモーター駆動型ベーカー・ヒューズ社製アミンポンプは、ケース入りSSSクラッチを介し、圧力潤滑方式で駆動されるハイドロリック・パワー・リカバリー・タービン(HPRT)を使用することで、効率が向上しています。これまでに二重駆動アミンポンプ向けに多数のSSSクラッチが供給されていますが、本プロジェクト向けのポンプは特に大型で、HPRTは1780rpmで5,150kWの定格出力を有しています。
エア・プロダクツ社およびベーカー・ヒューズ社は、他のフリーホイール型クラッチではなく、サイズ110Tのケース入りSSSクラッチを選びました。これらのポンプはプラント運転において重要な役割を果たすため、エア・プロダクツ社は信頼性の高い機器を求めていました。アミンポンプは電動モーターで起動され、プロセスが稼働を開始すると、サイクル終了時に残った流体圧力はHPRT(ハイドロリック・パワー・リカバリー・タービン)によって回収されます。言い換えれば、ポンプを逆向きに運転するような仕組みです。
